遥かに仰ぎ、麗しの その3

栖香ルート、(多分)終章まできました。
・・・・・これを描いたのがゆのはなのライターさんであると言うのが残念でなりません。
主人公は「君は生徒で僕は教師なんだうへへへへへ」って言うようなエロ教師。
小さな頃に親に捨てられたって過去も、今の主人公に全く反映されていない様なキャラの行動。
十三章で栖香がお見合いを受けるっていうのも予定調和。
十四章(多分終章?)で心変わりするもの予定調和。
でも、心変わりするのは口先だけで何も伴わない言葉だけ。
心変わりするのが、本校ルートの主人公みたいに行動を示した結果なら納得できます。
例えば殿子ルート。
自分は自由にはなれない。
司は必死になって自分を助けてくれようとはするだろうけど、世の中には出来ないこともある。
終盤までそう思っていた殿子は「司と一緒なら自由になれる」って、エンディング前で心変わりしていましたけど。
いつの間にか泳げるようになっていた事。
飛行機は飛ばなかったけど、それでも全く諦める事無く前に進もうとしていた事。
そんな行動があったからこそ、殿子が司を信じる、心変わりする事に納得が出来るのですよね。
でも、分校ルートの司にはそんなのが全然ない。
なんせ、ゲーム中の思い出を回想するシーンでも、ソフトの事と海の事とダンスの事しか出てこないんですから。
ソフトのこと・・・野球をやれば良い、と言っただけ。
海のこと・・・半分自棄になっている栖香にうへへへな事をしただけ。
ダンスのこと・・・どっちが多く相手の足を踏んだかを思い出しただけ。
正直これでは栖香が心変わりしようが「ふ〜ん」としか思えません。
それに、栖香の行動も正直共感できるものじゃありません。
これが本校ルートをやったあと出なければもう少しマシに思えたかも知れませんけどね。
ホント、本校ルートがかなり楽しめただけに残念でなりません。
そんなわけで、とりあえず茶番劇を最後までやってみます。


追記
今、心変わりしたところです(笑)
そう来たか、って思う反面、栖香の行動に矛盾を感じてしまう私は捻くれ者ですかそうですか。
だって・・・
自分を売ろうとしている親>司
という選択をしたのに
自分を愛してくれている親<司
という選択になるのですから。
っていうか、両親の事は誤解だったって言うのは納得できるし思っていたよりも良い展開だと思うのですよ。
でも、自分で会いに来るなと言って、会いにこなくなったら自分は親に捨てられた言い。
これからは一人で生きなさい、幸せになりなさいと言われたら、やっぱり親に捨てられたのだと言い。
それ以前に、最初の数ヶ月は毎月会いに来てくれていたのに何故学院に閉じ込められたと思ったのか。
これでは単なる勘違い我侭娘かと。
なんか・・・凄く客観的かつ皮肉的にプレイしている私が居ます(笑)
そんなわけで、とりあえず終わらせてしまいます。


更に追記
栖香ルート、クリアしました。
どうやら分校ルートは最初から茶番劇と考えてプレイした方が楽しめたみたいですね。
最後の最後、美綺登場&桜屋敷の存続が決まった時などまさに茶番劇でした。
ちなみに、茶番劇って言ってるのは皮肉も含まれますがそれほど悪い意味で言ってるわけでもありません。
本校ルートの事はキッパリと忘れ、最初から軽いノリのシナリオと考えればそれなりに楽しめるって事です。
まぁ、もしも本校ルートしかやっていなかったとしたら、私の感想は
ただのエロゲ
一行で終わっていたかと思いますが。
で、セーブデータ落としてエピローグだけ見ました。


終章・遥かに仰ぎ、麗しの


終章のサブタイがゲームのタイトルって言うのは、ありがちですが結構好きです。
でも、そのタイトルと内容が一致してないのがなんともはや。
元々、意味が分かりにくいって言うかどうとでも捕らえることが出来るタイトルなので、それを話に絡めるのは難しいとは思いますけどね。
でも、それならば最初から終章のサブタイ=ゲームのタイトル、なんてしない方が良いかと。
それこそ、最後に空の画像を表示して「遥かに仰ぎ」だと言うなんて、あまりにも子供だましですからね。


で、2キャラ残してはいますが、これ以上はあまり楽しめそうにないので総合感想を。
なお、総合感想=本校ルートのみとしますのであしからず。


まず、全体的な感想。
面白かった、の一言でした。
とにかく一直線で、他人を見捨てる事なんて出来ない司。
それが、自分を捨てた両親に対する負の感情を元としたものでも、私的には司はかなりのお気に入りキャラです。
それによって救われた相手にとって、司の過去は関係のない物ですからね。
優しさは自分で定義するものではない。
つまるところ、そういう事で。
それ以外の司に対する感想は、個々のルートの感想で。
んで、まずは・・・


・みやびルート
我侭、傲慢、短気。
ある意味正当派のお嬢様(笑)
それが徐々に司に懐いていく様は、まさに小動物のソレでした(笑
でも、これはどのルートでも言える事ですが、懐いていく過程がしっかりと描かれているので十分に納得できるものなのですよね。
同じように、徐々にみやびが変わっていく過程も。
悪者になってまで自分を支えていてくれた、なんて知ってしまったらそりゃ素直にもなりますわな(笑
で、このルートでの司の見せ場は・・・
やっぱりみやびを脅迫(笑)した後の、リーダとのやり取りでしょう。
それに、脅迫した理由を「みやびを助けるために秘書になりたかったから」だけに留めず、「普通に言ったところでみやびが頷くわけはないから」としっかりと司に語らせていた所も高ポイントでした。
由が出てきて以降の内容も楽しめました。
司が由にばっかり構って、みやびがヤキモチ焼いたり(笑)
ラス前、電話で由に「この泥棒猫!」って言ったのも笑ってしまいました(笑)
ただ、司が「自分は心から人を愛する事を恐れている」って言うのに気づかされるシーンは、ちょっとイマイチだったかな、と思います。
悪いとは言わないですが、良いとも言えないと言う感じで。
リーダに指摘されてあっさりと納得してしまうのも、ちょっと軽すぎるかなって思ってしまいましたし。
まぁ、だとしたらどういうのなら納得できるのか、と言われると困ってしまう程度の感想なんですけどね^^;
ま、何はともあれ。
リーダさんを堪能できたシナリオでした(マテ
いや、リーダさんかなりお気に入りなので(笑)
楽しそうに塩を撒くCGなど最高でした(笑)


・殿子ルート
無表情、無感情。
でも懐くと「お父さん」
・・・キサマ私をどーする気かと(笑)
殿子は結構序盤から司に対して好意的でしたが、本格的に懐くようになってからは可愛くて仕方ありませんでした、この似非桜子が(マテコラ
殿子はみやびとは違い、徐々に懐いていく展開ではありませんでしたが、それでも納得できる内容でした。
心を開くきっかけとなった「海に出てもおぼれてしまうかもしれない」という、下らない言葉。
その理由は後で明かされていましたからね。
で、このルートにおける司の見せ場は・・・客観的に見ると殆ど無いのですよね(笑)
なにせ、飛行機を作る事ばかりでしたから(笑)
でも、そんな司の行動を見て殿子がどう感じたかって言うのはしっかりと書かれていたので、みやびルートに同じく十分に納得できるものでした。
エピローグ、殿子が数学者になって実家も手を出せなくなったって言うのはかなりのご都合主義な展開ではありましたが、それまでの内容が十分に楽しめるものだったので、笑ってスルーできてしまいました。


・梓乃ルート
見た目と口調は深窓の令嬢、でも対人恐怖症(笑)
感想その1でも書きましたが、正直に言えば好きになれるキャラではありませんでした。
序盤。
殿子が司と仲良くしている、このままじゃ殿子を取られてしまうから司を追い出そう。
司と仲良くなり始めてからも。
殿子が家の事情で司に自分を任せて学院から去ってしまう、だから司を学院から追い出そう。
自分の為に司を追い出そうとしている事もそうですが、殿子の事を全く考えていないって感じでしたからね。
終盤でその事を悔やんでいると言うことを司に告白するシーンがありましたが・・・
自己中なキャラ、と思える期間が長すぎたので、それまでの感想を覆せるほどのシーンにはなりませんでした^^;
ただ、ね・・・・・
やろうとした事は最悪ですが、それが悉く失敗しているから憎めないのですよね(笑)
失敗しているというより、嫌がらせをしている事に気づいてすら貰えない(笑)
どころか、司に助けられて周りの司に対する評価がドンドン上がってしまっているというのが(笑)
微笑ましすぎて、嫌なキャラとは思えませんでした^^;
で、このルートの司の見せ場。
多分、他の2キャラのルートより多かったと思います。
梓乃を沼で助けるシーンはそれほどでもないですが、階段で梓乃を庇って怪我をするシーン。
梓乃が襲われたシーン*2。
司が自分で考えて行動したというよりもその場の状況で咄嗟に行動したって感じだったので、個人的にはあまりインパクトはありませんでしたが・・・
でも、梓乃が司に惹かれる理由を描くという上では、十分に司の見せ場といえるシーンと思えました。
で・・・全編を通して共通している司絡みのイベント。
「心から人を愛することが出来ない」
それを克服するシーンでは、梓乃シナリオが一番かなって思いました。
そのシーンがあったからこそ、余計に梓乃が憎めないのですけどね^^;


で、改めて全体を通して思った事。
キャラを動かしているシナリオではなく、キャラが動いているシナリオだなぁ、と思いました。
先日の日記でもチラッと書きましたが、キャラが一人歩きをしている印象を受けたんですよね。
上手く言えないのですが、「このキャラにこう言わせよう」ではなく「このキャラならこう言う」。
「このキャラにこういう行動をさせよう」ではなく「このキャラならこう動く」。
そう感じられるほど、キャラ設定が分かりやすくしっかりと出来ていたんですよね。
仮に、キャラが思いもしなかった台詞を口にした時でも、このキャラならそう言うだろうと思えてしまったり。
または、そのキャラにはそういう一面も持たせているのか、と納得してしまったり。
もしかしたら、ライターさんがそこまでキッチリと細かく考えて書いたシナリオかも知れませんが・・・
そうだったとしても、キャラが生きていると感じられたのですから、十分に満足できる内容でした。
・・・結局のところ、物語なんて全てキャラクターにかかっているのですよね。
キャラ設定がしっかりと出来ていて、好感の持てるキャラだったら駄作になんてなりえませんからね。
そんなキャラが作れるのなら、たとえシナリオが糞であったとしても・・・
絶対にキャラが一人歩きを始めてしまいますからね(笑)
そうなると、シナリオも良いものに変わっていくか、シナリオを変えられずに未完成で終わるかのどちらかになると思います。
とまぁ、長々と書きましたが、何はともあれ大変楽しめたゲームでした。
・・・大変楽しめた本編ルートでした(笑)


最後に。
リーダさんと鏡花の追加シナリオ希望(笑)
もち、シナリオは「こなかな」の人で(笑)