邪魅の雫

「邪なことをすると―死ぬよ」
読了。
以下、かなりネタバレなので行間空けます。








































面白かった(笑)
かなり緻密に計算されて書かれていた感じでした。
この小説、幾つかの関連性の無い殺人事件が一つの連続殺人として書かれているんですよね。
外から見れば連続殺人。
でも、一つ一つの殺人を見てみると、実は関連性があるようでない。
犠牲者を順に並べると・・・
澤井→小百合→実菜→赤木→江藤→大鷹
最初の犠牲者、澤田が殺されたことと、次の犠牲者、小百合が殺された事に関連性は無く。
小百合が殺された事と、実菜が殺された事にも関連性は無い。
実菜が殺された事と赤木が殺された事にも関連性は無く。
赤木が殺された事と江藤が殺された事にも、江藤が殺された事と大鷹が殺された事にも関連性は無い。
それなのに、実菜が殺された事と、江藤&大鷹が殺された事には関連性がある(笑)
・・・文章にするとかなり滅茶苦茶、これだけなら何処で物語が破綻するか分からない位にこんがらがってますね^^;
事実、私も読んでいてこんがらがりました^^;
実菜、赤木、江藤、大鷹を殺した犯人が誰なのかはちゃんと書かれて居るにもかかわらず、こんがらがってしまいましたからね^^;
それ故に、最後の種明かしは爽快でした。
いつものパターン通り、最後に京極堂が出てきて。
これまたいつものパターン通り、一見すると全く関係ない話をし始めて。
(実はこれまでの京極作品、内容を忘れてしまっている(笑)ので、本当に「関係ない話をし始める」のがパターンかはちょっと曖昧なのですが^^;)
関係者の憑物を落としていって・・・今回は私も憑物を落とされた気分でした^^;
私はこの手の小説を読むとき、種明かしされる前に種を突き止める事に全力を注ぐのですが(笑)
今回も例に漏れず、種を突き止めようとしていたのですが。
最後の最後までこの物語の根源にあるもの、何故事件が起こったのかが分からなかったので、種明かしされるまで分かりませんでした^^;
最初から、かなりの数のヒントは出ていたんですよね。
榎木津の婚約者が姿を隠す理由については、益田が序盤に推理していましたし。
その容疑者となりえる人物、榎木津と関係のある人間の名前も、中盤に京極堂が言っていましたし。
それなのに分からなかったとは・・・嬉しい様な悔しいような、ですね^^;
まぁ、原因としては・・・益田の推理なんて当てにならないだろうと思っていた事だと思うのですが。
だから、事件の根っこに居たのが榎木津だと言う事に気づかなかった・・・
その他の事はある程度分かっていたんですけどね。
前の日記で書きましたが、
> なんとなくA=B=Cの様な気もしなくは無いのですけど・・・
って書いたのは、恵=実菜=美咲って意味で書いていたりします(笑)
日記を書いた時点でバラバラの事件が連続しているというのは分かっていたので、そうなると全てに登場している人物がいるはずだなぁっという単純な理由(笑)で、そんな風に思ったので。
・・・うん、そこまで分かっていながらネタに気づかなかった自分が悲しいです(笑)
とまぁ、色々と書いてますが。
800Pを超えるページ数があるだけに読むのが大変でしたが、かなり楽しめました。
・・・夏とかハコとか買って読み直すかなぁ・・・